暁さんと私の関係で肝要なのは
行為、ではないのが今回の逢瀬の最重要学習事項だったと思う。
壊すのはとても簡単に出来る
快感で心を虜にすることも
苦痛で相手を支配することも
心を壊してから依存させることも
やる気になればすぐできると、言う。
ただし、これだと代替えが双方に効くのだと。
主はもっと壊し甲斐の有る子に
従者はもっと壊してくれる主に
相手を変えることが出来てしまう。
暁さんは独占欲の強い人だ。
私は「俺の」モノで無ければならない。
誰のものにも出来ない暁さんダケのモノ
暁さん仕様の淫乱
暁さん仕様の変態
俺の色に染まればいい、と口癖の様に告げられる言葉は暁さんのこの思いの強さから出る言葉。
他の人から見て甘くても面白くなくても緩くても
暁さんの満足につながれば何も申し分ない。
お道具袋が出てこないのも「道具」を使って何かする必要を感じなくなったから、だそうだ。
もちろん、したくなればする。
使いたい時にはお持ちになる。
でも、今は文字通り手を掛けて躾けたい思いが勝っているのだそうだ。
指一本だけで快楽の階段を駆け上がり
掌で打つだけで恍惚とし
指で抓るだけで良く鳴く
この女の今には道具は不要だと判断されて持参していないと聞いた。
一時は「SMをしたいという情熱を私に持たれてない」と悩んだお道具不在は
暁さんが持てる肉体から繰り出す躾の方が私との関係を深めるのに必要だったから、という理由があったのだった。
暁さんが創りたい私との関係は
「精神的な主従」
というものだ。
先ず精神的に通い合えてること
お互いがお互いを遠慮せずでも配慮をして想い合うことだ。
多分、だけどSM的な主従関係で主のお心を言葉で聞かせてもらえる事がない所は多い気がする。
主が敢えてそれをしない、と言うところは多いんじゃないかなと。
でも、必要を感じれば暁さんはそれを惜しまない。
「俺の灯里」「俺も、お前を好きだよ」
キチンと聞かせてくださっている。
直接的ではなくとも
「わかっているよ」「俺の愛奴だと俺が言う意味をキチンとわかりなさい」と伝えてくれることもある。
私の恋心も含んだ想いも含めて受け取って可愛いやつだと愛でてくれて居ると私は言葉で教えてもらえて安堵出来ている。
その上で、暁さんが主で私は奴隷だと言う序列が有る。
想い合う「カタチ」がリードを持つ者とそれに連なる首輪を付けて傅くモノなのだ。
ホテルの部屋でも暁さんがソファに腰を下ろせば私はその足元が定位置なのと一緒で
ポジション、があってそこに収まることが二人の「通常」なのだ。
決して対等では、無い。
全権は主に有る。
でも、それが私には嬉しくて安堵出来るのだ。
私が喜んで委ねるまでを兎に角キチンと躾けることが今最大の目的だそうだ。
結果、したいと思ったことを「喜んで」私が受け取る事ができる。
それが精神的な主従に繋がっていく。
隣で一緒に昼寝をする、という行為でも
暁さんが「灯里を抱き枕にして寝たい」と思えば
私は「暁さんに抱き枕にしていただいて居る」と受け取る
全ての行動にその「したい」と「していただく」が成立すればいい。
教えてくれたのはここまで。
ここからは推察なのだけれど
暁さんが創りたいのはここを土台とした精神の支配に恐らくなるのではと思ってる。
ハードプレイ寄りには多分ならない。
暁さん自身がリスク管理に無理があるハードプレイをすることは先ずしないのと
(こう見えて暁さんはとても慎重で真面目な方です)
暁さんにスカトロや針やメスの願望が恐らく全くないという事実が有る。
(針やメスは手に入れるのも大変だしね)
暁さんは羞恥心を煽ることを好まれるので、必然そちら寄りに今後はなるのかもと思う。
私の持つ願望は「拘束」「監禁及び軟禁」「独占欲による支配」がメインだろう。
と言うか現状認識してる願望は私自身これだけだ。
こう思うと本当に暁さんが最初に言っていた「願望や欲の相性」は比較的良いという判断は間違ってなかったのかもしれないと再確認できる。
物理的な拘束は今はされてないけど「手を後ろ手に組み離すな」と言われたら心で「支配」されて居るために私はそれを勝手に解けないのだ。
「支配」され、「拘束」を心と言葉でされている。
監禁はね、タイミングですよタイミング。欲は知ってるのだいつか何かしら機会が合えば叶えてもらえるだろう。
暁さんの求めるカタチがこうやって見えて来たのは私にはとても良いことだと思う。
先を示されてないことが怖いのだ。
暁さんに目指す所や望むものを聞いて安堵が出来た。
ただ、隣にお互い佇むだけで成立する主従関係
二人のこのカタチはもう、整いつつある。
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