ありきたり、だけども
暁さんの第一印象。
駅の改札の前でこの日だけ、は待ち合わせたのを覚えている。
いつもの街では、その次の逢瀬から車の入れるロータリーでの待ち合わせに変わったから。
まだ、残暑もあった季節で白いシャツにスラックス姿だったと思う。
送ってくれた写真と同じ
染めてない髪、メガネ、穏やかそうな顔つき
キョロキョロとする私に対して、優しく余裕のある顔で笑みを浮かべていた気がする。
三歩後ろ、をとりあえず歩く私に気を使った速度で歩いてくれる紳士さを持ち合わせているその人に
ありきたり、なオラサド感を感じなかったことを心から安堵した。
メッセージのやり取りで分かってはいたけども、顔を見た瞬間手のひらを返す人、というのも世の中にはいるのだ。
これから、大それた事をしてしまう
そう思っていた私はとにかく緊張していて、見るからにかわいそうになるくらいにガチガチだったのかもしれない。
だからこそ、落ち着くように手をつないでくれたのだろう。
そして、暁さんは初めの挨拶の時に敢えて脱がせずにご挨拶をさせてくれたのだと思う。
そして、荒々しくは扱われても
ちっともそれは、乱暴ではなかった。
一枚づつ、少しづつ警戒心を剥ぐように丁寧に扱われたと思う。
綿ロープを掛ける時の目が、駅で初めて見た目と違い爛々と輝いていて
それがとても嬉しくて苦しくて
縛り上げる時もきちんと私を気遣い縄をかけてくれた。
この時に心から虐待とSMの差を実感した。
優しくて、穏やかで
けれども欲の獣を腹の中に飼っている人
その第一印象は、恐らく間違ってなかったはずだと思う。
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