いつも比較的静かな小さな街の定宿。
だが今日はアダルトチャンネルもつけてないのにAV女優さんの声が部屋に響く。
声が艶っぽい綺麗な声で羨ましく感じる。
私は綺麗に鳴けなくてそれがコンプレックスでもある。
呆れたように笑ってチャンネルをつけると大写りの3Pで苦笑してしまう。
つけたついで、なのかそのままご奉仕。
先ほどとは違いゆったりとした奉仕を命じられる。
たまにつく吐息が穏やかで甘くて
リラックスしてるのか身体が弛緩してて
それが嬉しくてさらに舐めたりしゃぶったり手を使っていく。
喉奥を使おうとすると咎められる。
扁桃腺を気にしてくれてるのだろう。
早く取ってしまって暁さんの「気の向くまま」に使える喉に戻りたい。
少し揺れる腰に暁さんの気持ちよさを感じて嬉しい。
出すぞと手を早めることを命じてもらえる。
飲めと言われずとも嚥下する私は暁さんの目にどう映るんだろう。
すぐ、腕の中にまた包み込まれる。
キスを落とされて撫でられて今度は泣きぐずることもなく眠りに落ちる。
心地よさを感じて目覚めるとまだ腕に抱えてもらえていた。
小さな女の子になったみたいだ、と以前聞いたら
俺の子犬だものなと笑われたのを思い出す
ワンコはワンコらしく顎にキスをしてみたら目覚められてイタズラを咎めることなく私の鼻頭を撫でる。
マッサージをする。
背中を中心に熱を持って張っている。
プライベートで家族サービスをされたときに肩車してたと言う暁さんを労う。
今だけだから、と微笑む顔は父親のそれで。
そんな顔も見せてもらえることは幸せだと思ってる。
足までマッサージするとすぅっと寝てるような暁さんの横にピタッと張り付く。
仕方ない子め、というような雰囲気で腕の中に仕舞ってもらえる。
安心するとまたトロトロと眠りに落ちる。
普段から不眠がち、ではあるけどもここ数週間悪化してるそれを知っている暁さんは何も言わずに眠らせてくれた。
おそばに居られる時間は短いのに沢山眠ってしまった。
悔しいけれど身体はすっきりしてる。
長年浅い眠りには悩んでいても
ここまで完全に眠るのが大変なのは滅多にない。
何日かに一度は落ちるような深い眠りすら感じることもなく
自分の寝返りで目覚め、外を走る新聞配達の原付の音で目覚めてしまう。
そんな緊張状態の私をようやっと弛緩させて貰えたのだ。
寝かせてやれてよかったと笑顔を向けてくれる暁さんの心配を感じた。
自己起因だけじゃない不安定はきっとしばらく続くだろう。
それすら私の事だからとなだめるように温めてくれる。
選んで、及ばないながらに手を貸すと決めた友人の事
趣味の活動のパートナーでもある彼女を私が放って置けないのは知っている。
そんな私をあっためると決めてくれた優しさに今は甘えようと思う。
少し短い逢瀬は寂しさも募るけど
私の事を心配して急ぎ組んでくれた日程に感謝をして車を降りる。
行ってこいの言葉を背に受けて。
帰れる日まで立てるように私は頑張ろうと思う。
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