ある日、の出来事
ちょっと不調で寂しくてピーピーと電話をおねだり。
隙間の時間、ほんのほんの隙間しかなかったであろう暁さんは電話をくれた。
車の中からの電話だろうか、ピーピーとバックしてるような音がする。
パタン、とドアの音。
あら、外に出るのか。
ピーンポーン、と電子音。
コンビニに入ったのかな
カサカサゴゾゴゾ、と何かを取る音。
お品物、選ばれてるのかしら
ポイントカード、お持ちですかー?、の女性の声
あ、このポイントカードはやはりコンビニか
いいえ、と答える暁さん。
チャリチャリとコインの音。
小銭入れ、から小銭を出して精算されてる。
も一度響く、ピーンポーンという電子音。
お店でられたんだ。
パタン、とドアの音。
車に戻られたのがわかる。
ガサガサ、とする音はシートにお尻を置きなおしたり
カバンを置いたりする音かな
カサカサ、というビニール袋のこすれる音
あ、何か出してる。
パリッ、と乾いたものを噛み切るような音
コンビニの手巻きおにぎりを召し上がってるんだ!
咀嚼音が耳元で聞こえる
なんの具のおにぎりなんだろう?
お好きと言ってた昆布?おかか?たらこ?
思わず、ふふふっと幸せで笑う私。
どうした?と、問う暁さんに
だって、これ、ポケットの中みたいで
目を閉じて布団にくるまって音だけ聞いてると
暁さんの普段の世界にいるんだなーって。
と、言うとやれやれ、という反応。
ポケットの中にストンと入って
顔を出さずにゆらゆら揺れて
暁さんの世界の音だけ聞いてるのは幸せで。
さあ、休め、の声で切られた電話のあとはスウスウと眠れたのだった。
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