逢瀬日当日
全く眠れない、と早々に布団と仲良くするのを諦めお弁当をつくる。
2月は上旬に会えるこの日。
バレンタイン菓子は寝る前に焼いていたので準備は終えてるのだけど、お弁当はおにぎりで良いよと言われてた。
甘い卵焼きが食べたいな先日、メッセージアプリケーションで話に上っていたことを思い出す。
出し巻きでもないお砂糖の甘い卵焼きだ。
それを久々に焼き、それだけだと寂しいな、とお肉のおかずも用意する。
おにぎりも二つづつ、でこれくらいの量が暁さんと私のお弁当のいつもの量。
野菜のおかず、はあまり好まれてないのを知ってるので今回はお持ちしない。
菓子もあるしあまり詰め込んでもお腹が膨れてしまう。
飛び始めた花粉に皮膚が荒れ始めてて化粧ができない。
そんな自分を厭いながら、でもと怯む心を叱咤し新幹線へ向かう。
おはよう早起きの私のメッセージに返信をくれる言葉は暖かい。
昨日聞きそびれてタイツを履いている旨を詫びると、寒いから仕方ないと許していただいた。
さすがに2月の早朝はタイツがないと辛いのだ。
車が混んでてまだ掛かるらしい。
いつもの街の少し手前で
暖かいところで待ってなさいのメッセージが届く。
駅待合の中で暖かい飲み物を飲んでも、何をしても…心の奥にできてしまった氷のようなもの、が溶けない。
こんな心持ちで会わなければならないのか、と悲しくなる。
少しでも素直でいいこの私をお渡ししたいのにな、と。
まだ頑なな心のままの自分に頭を抱えてる私のスマホが震える。
暁さんの到着は近い。
お待たせしたくないので急ぎロータリーへ向かった。
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