会える日が決まった。
安定の直前決定逢瀬。
元々私のシフト休に設定されたそれはいつものようにバタバタはないのだけれど
逢瀬の時間が短い、という申告が暁さんからされた。
ごめんなの言葉に
無理に開けてくださったんですよね?
だったらいいこにします。と、返す。
なかなか確実に開けられるところが無かったからな。
また埋め合わせはするよ。と気遣う言葉をくれる。
私はその言葉に最初
それまでいい子にしますと、返した。
でも、いやそれは違うな、と言葉に違和感を覚える。
しばし逡巡し
いいこ、じゃだめですね
それを楽しみに待ってますと返事をし直した。
いいこ、はいい子でしかない。
考えることに蓋をして
良い子という木偶を演じる日々に戻るの?と自分を諌める。
愛の言葉すらうまく口にできなくて
想いをようやく伝えられるようになって
やっと心を心のままに渡す行為を暁さんへはできるようになったのに
良い子という木偶に戻ったらだめなのだ。
短いのは寂しい
でも、会う努力を惜しまない暁さんに無理はさせたくない
私が寂しがり屋なのを知ってる暁さんは埋め合わせを約束してくれた。
約束、を破らない人なのを私は身を以て知ってるはずだ。
信じて、楽しみにして心をすこしその埋め合わせに踊らせる。
寂しさは寂しさで心に落として
楽しみは楽しみのまま心に抱いて
それを教えてくれた人に良い子の木偶を渡してはだめだ。
もう、良い子でいようとはしないようにしよう。
良い子、ではなくて
想いを渡せる子になろう。
私の心は暁さんの「所有物」なら
寂しがり屋の私も
不安に泣く私も
喜ぶ私も
照れる私も
恋しく思う私も
全部暁さんのモノだ。
暁さんに欲してもらえる心なら
どんな汚い想いも渡す。
まだ、心は感じることを始めたばかりだ。
コントロールの効かない心はたくさん暴走をするかもしれない。
でも、雁字搦めに縛り付けられた心の鎖をすこしづつ解いて
打ち付けられた錆び付いた楔を一本づつ抜いて
擦り傷切り傷に手当を施してくれてる人をもっと私は信じよう。
暁さんを想うのはこんなにこんなに怖いけれど
暁さんを想うのはとても幸せで
やっと私は活きてるのだ。
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