風邪を引く。
タチの悪い胃腸風邪のようだ。
グルグルとお腹から異音がする。
流石に仕事を休んだ旨をメールするとご心配いただく。
話さなければ心配かけないけど
話さないのはだめなのも知ってるから、馬鹿正直に告げる。
心細くなり思わずおねだり。
3分ほどのお電話の時間をもらう。
「甘えたになってますね」
と告げると
「何時ものことだろ?」
と笑含みの声で返してくれる。
寝なさい、と電話を切られて
二三言、言葉をメールで交わして目を閉じた。
声を聞けて心をぬくぬくさせてから布団にくるまる。
少し寒気を感じてたのに心がぬくぬくしてて眠れる気がする。
すぅ、と眠れた事をメールで報告。
「甘えが全部暁さんに向かってますね」
と自嘲すると
「まだだろ?」
と言われる。
まだ、なのかもしれない。
出ては行けない領分を絶対出ないと言う楔は心に打ち込んでるから。
その楔すら抜こうとしてるのか、と思う。
どこまで私を飲み込むのだろう。
これ以上、は方法がわからないと返すと意識はしなくていいと返ってくる。
きっと、無意識のセーブはそのうちなくなるんだろう。
だって暁さんには会う度に甘くて中毒性高めの飴を貰ってるから。
その飴は「優しさ」と「暖かさ」と「安心」だった。
恐怖も畏怖も暁さんは私に与えない。
怖い、ことは有るけど
「暁さんの愛情表現」からくる行為が加虐だったりするから
足を竦ませるだけで
失う怖さ、捨てられる怖さはない。
負の感情で、支配しないでくれるのを心底信頼しているから
怖がりも怖れもしないでいられる。
今日も、言葉という飴を舐めて
私は暁さんに笑顔を向ける。
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