三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい有名な都々逸の一節
三千世界とは仏教用語で全宇宙
全宇宙のカラスを殺してでも貴方様と朝寝坊がしたいのですカラスは不吉を告げる鳥だったとも言うけれど
「貴方」と朝寝坊がしたいがために殺されるのも甚だ不本意でしょうよと思うが
わからなくもない女心でもある。
狂おしいまでに愛おしい男との朝寝坊のためならば、全宇宙のカラス位は葬り去ってやりたいという思いの強さ
そこまで愛した男は朝になる前にスッと床から居なくなってしまうのだろう
そうして置いて行かれる寂しさ
チクチクと刺さるようにわかってしまう私がいる。
三千世界の鴉を屠っても
暁さんとの朝寝は得られるわけはないし
暁さんはまた何時ぞやかお泊まりの機会を下さるそうだから
私は大人しく待とうと思う。
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