追いかけられている
そこは真っ暗い空間だった。
足を置いている、床なのか地面なのか、重力がとりあえずそちらを向いている方向にあるものの質感がわからないくらい真っ暗。
そんな空間をひたすら走る。
タッタッタッタッ
足音が聞こえる
後ろから、横から
今向いている方向からだけ聞こえない。
だから、そちらに私は走る。
ハッハッハッハッ
息を切らせて走る。
ドッドッドッドッ
早鐘を打つ心臓が痛む
助けて誰に助けて欲しいの?
逃げて誰に逃げて欲しいの?
許して誰に許して欲しいの?
兎に角走る私が、譫言のように言う言葉に「誰か」が問う
その、「誰か」は私を追う存在なのか
それとも、私をすくい上げる存在なのか
わからかい。
何から逃れるか分からないのに
ただひたすら走る。逃げる。
それを繰り返し目を覚ます。
目を覚まし、スマートフォンのメッセージアプリケーションを開くと安堵する。
おはよう
そう、入っている暁さんのメッセージ。
すがることを許してくれる人がいる。
怖い夢、見たんです
そう、甘える事を許してくれる人がいる。
早く、暖かな背中に縋りたい。
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