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飢える

アナルの拡張と口淫の際の舌の使い方、は日課として指示をされている。
それの確認をされる。

飴を舌をずっと動かして溶かしてみなさい
唾液を使わないように舌を強く押し付ける感じて
舌を休めなくて一個なめきれるかな?


飴玉を出してトライする。
噛まずに、唾液はすぐ飲み込んで
舌先で飴を溶かすように舐めたりする

俺のものを意識しながら舐めるんだぞ

この言葉に口に欲しくなる。
飴のような甘い味ではないけども
暁さんの味のする
私の大好物になってるおちんぽさま。
欲しいとおねだりすると次の課題。

舌を歯茎にそって右まわり左回りで30回ずつしてごらん

グルグルと舌を動かす。
顎や舌の付け根が辛くなるのだけど
それよりも体がどんどん熱に蝕まれる。
暁さんのパツパツに張ったおちんぽさま。
口の中いっぱいに犯されたい。
舐めてしゃぶって咥えて喉奥まで突っ込まれて
文字だけの指示に体が焦れる。

なら指を舐めながら自分でさわっていいぞ

と、自慰の許可を頂けた。
口に指を含み舐めたり舌を摘んだり
勿体無くて口だけで遊んでいることを告げると

なるほど

なら次に俺がするまで禁止だな


と自慰の許可は撤回されてしまう

でもお口だけで頭ポワポワして身体がひくひくします

口で遊ぶだけ、なのに盛りのついている私で暁さんも遊ぶ

もっとかき回せ

舌を思いきりつまんで遊べ


その通りにすると唾液が口の端を汚すのに
舌を摘もうとするとつるりと唾液で逃げてそれが痛いのに
心と身体が反応していく。

思わず欲しいと訴える。
全て暁さんのがいい。
温度も、肌も、指も全部暁さんがいい。
それ以外は嫌なのだと。
自分のでも悲しくなってしまうと。
体は鎮まるのに心が飢えてしまうと。

なるほどな

なら今度まですべて禁止だな


そう告げる暁さんは優しくて
ちゃんと2月は会えるようにすると伝えてくれる。
もう少し、お留守番してれば使ってくれると。

熱を持つ体を持て余しながら
発情する自分を厭わしく思いながら
それでも暁さんを請う。
暁さんしか欲しくない。
あと少しで使ってくれるという言葉を甘くて柔らかい鎖にして
自分の欲をその鎖で縛り付けて待とうと思う。


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溺れていいプール

依存、していると私自身は思っているのだけれども
少し違うと言われている。

何が異なるのかさっぱりわからなくて
暁さんに言われても首をかしげてしまっている状態。
貴方無しでは生きていけないと思うこの感情は依存ではなくてなんなのだろう?
貴方には殺されてしまっても構わないのと思うこの感情はなんなのだろう?
その手で引き上げてもらえると甘える私は依存しているとしか言えないのではないのだろうか?

まあ、ここまであからさまに晒すことはしなかったけれども
私と暁さんの関係を知ってる友人と話す時にこういう関係を作る上でのバランス感覚がうまい、と言われる。

溺れていいラインを知ってるんだよね~灯里ちゃんは。此処までって。このプールで溺れてもすぐ引き上げてくれるけど、別のプールでは絶対にそれは期待できないって。

ああ、確かにそれはあるかもしれない。
恋をする心
奴隷として慕う心
主を崇める心
そういう部分では溺れていいんだけど
日常生活
家庭面
社会面
では溺れてはいけないのを知っているし
実際そこだけなら暁さん無しでも立てるのだ。
暁さんという安息の地を得てしまったから、きっと無くしたら発狂できるけれど
そこは暁さんがやんわり見守ってくれれば歩けるし泳げるのだ。

そんな話をしたと暁さんに告げると、わかる気がすると返ってくる。
耽溺してしまってこの関係を無くすのは私には不本意でしかない。
耽溺して溺れ切って何も見えなくなって、暁さんだけの世界は夢だけど
それをしてしまったら、きっとこの関係はなくなってしまうと思ってる。
その、欲に負けてなくすくらいなら
私は暁さんのところに帰るために日々を辛抱強く頑張るしかないのだ。

心を開け放ちきってないように取られてしまうのだろうか?
一番弱い、一番本当は人が踏み込まないところまで晒してる自覚はあるのに。

我慢してるように見えます?と聞くといいやと帰ってきて安堵する。

ただもっと縛られたいと思ってそうだがな

との答えに私の欲をキチンとわかってもらえてる安堵と
その欲を隠しきれてない恥ずかしさが襲う。

監禁されたいんだもんな

と、私の欲の最暗部を知ってる暁さんは答えてくれる。
一人でこの願望を抱えなくていいだけで幸せだから
私の欲の獣は暴走しない。


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彼女、と愛奴③

拗れてるのは私だけじゃない、と気付いた私はもう一つの事に気づく。
やっと得られた場所なのは私だけじゃなかったのだ。

暁さんも、「やっと得た」安寧の時間なんだ。
平手を打って愛してる、とか
足を舐めさせて愛おしく思う、とか
踏みつけたくなるくらい可愛く思う、とか
恥ずかしくて涙する様が興奮する、とか
この思いのこもった行為を暴力や忌み嫌うべきもの、ではなく
愛情表現として受け止める相手がいる事は暁さんにも大切な事、なんだ。
私が居て、私がそれを愛情だと受け止める事、は暁さんへの肯定だったんだ。
それを私は初めて自覚した。

目から鱗、だった。
そうか
sadistもmasochistも
masterもslaveも
dominantもsubmissiveも
片方だけ、だと満たされないのだ。

私がいる事、は無駄じゃないのだ。
お側に侍る事、は暁さんの幸せに少しは役立つらしい。
良い、従者
良い、奴隷
良い、玩具
には遠いかもしれない。
でも、無駄ではないのだ。

会えるかもと示された日までは少し先。
まだまだ、私の中の私への嫌悪や憎悪は止まない。
でも、関係なく私が欲しいんだよと告げる優しい人を少しでも少しでも私は傷つけないようにしたい。
せめて、物理で私は私を傷つけないように
せめて、言葉で私は私を貶めないように
そうする事ですこしでも、暁さんを傷つけないように。

冬の冷たい風は心を刺すように吹く。
暖かな懐に怖いけど帰ろう。
こんな私を見せてしまうのが怖いけど帰ろう。



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彼女、と愛奴②

わからないと問う私に暁さんは答えてくれる。
暁さんにとっての「彼女」を教えてくれる。

ただ付き合ってどっかいったりSEXしたりだな
だから自分のことは性癖も含めてほぼ出さない


…それは辛いはずだ。
事実、私から請い願った相手ではなくてもそれは辛かったのを覚えてる。
私の渇き、をこの人はわかってくれないとハナから諦めてるのだ。
辛くはなかったのだろうか?と私は問う。

だからお前の存在が大事だし宝物なんだよ

お前が会えない連絡が少ないと寂しがっててもそばに居るのがどれだけ嬉しいか

お前が汚いとか存在価値が…など俺にとってはほんの些細なこと

お前が俺のそばで俺の望むがままに俺に尽くすこと
これがどれだけ大きなことか

嬉しいことか

だからお前を手放す気はまったくないからな


そう答えてくれる暁さんの一言一言が
ああ、と心に落ちる。
私が「誰もわかってくれない」と諦めてたものを暁さんも抱えてて
それが性癖で、愛し方、で。
愛おしいから心から「思うように壊してほしい」私と
愛おしいから心から「思うように使い遊びたい」暁さんと
二人して、拗れているんだ。
それに気がついたのだった。



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彼女、と愛奴①

自己嫌悪と自己憎悪の波に攫われかける
いけないことだとわかってる
私が私を大切にしないと暁さんを傷つけるのを分かっている。
これを伝えたら悲しまれるのも、わかってる。

でも、大切にできてない時に
悪い波に攫われかけてる時に
大切にできません助けてください、と助けを呼ばないことの方が悪いことなのもよくわかってる。

命綱に手を伸ばしすがる私に
自己憎悪に飲まれかける私に

お前がいなくなったら困るがな

と告げてくれる。
困る、のはどうしてかさっぱりわからない。
私がいない事で、不安定な女を抱えないことで平穏が訪れるだろうに、何が困るのだろうこの人は。
いた方が困るでしょうと告げると

なぜだ?

俺の大事なものがなくなれば困るぞ

じゃなきゃ愛奴などと呼ばない

と、心を傾けてくれる。
胸に棘が刺さる。
ちくちく、じくじくと痛む。
わたしはまた暁さんを傷つけるのか。
謝罪を告げる。
ごめんなさい、と。
心を傾けてもらってばかりなのに、わたしは傷つけてばかりだ、と。

彼女は何人も作ろうと思えば誰でも作れるがまったく価値が違うからな
彼女と愛奴
同じと思うか?


と、投げかけられる。
彼女、愛奴
違い…暁さんの「彼女」ってなあに?と問う
わからない、まったくわからないのだ。

わからない私は暁さんに質問するしかなかった。


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プロフィール

灯里

Author:灯里
M奴隷二年目
愛奴と呼んでいただけるようになった灯里と飼い主である暁さんとの関係
ここは灯里から暁さんへの報告書であり二人の間の色々を残す場所です。
やっと卵から孵ったくらいの私がどんな姿になるのか
暁さんの「願望」と私の「願い」が重なるときにどんな化学反応が起こるのか。
日々と逢瀬と想いを綴っていこうと思います。

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